アルミニウムとは?リサイクルの王様と呼ばれる理由も解説!
アルミニウムは、私たちの日常生活から産業分野まで、幅広く利用されている重要な金属です。
その軽さと強度、優れた耐食性や加工性など、さまざまな特性により、航空機や自動車、建築材料として不可欠な存在です。
また、リサイクル効率が非常に高く、環境保護と資源の有効利用に大きく貢献しています。
この記事では、アルミニウムの特徴やその多様な利用方法、リサイクルが「王様」と呼ばれる理由について詳しく解説します。
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目次
アルミニウムとは?
アルミニウムは、地球の地殻に豊富に存在する元素で、銀白色の光沢を持つ軽量な金属です。
この金属は酸素やケイ素に次いで、地殻中で3番目に多く含まれています。
産業界で広く利用されており、とくに自動車や航空宇宙産業において、軽さと強度が重要視されてきました。
アルミニウムはリサイクルが容易で、使用後も再利用することで資源の節約と環境保護に貢献しています。
また、耐食性と加工のしやすさから、多様な製品に使用され、私たちの日常生活を支える重要な素材です。
産業分野だけでなく、家電製品や建材、包装材としても幅広く利用されており、その需要は今後も増加し続けると予想されています。
9つの特徴
アルミニウムは、優れた特性により、幅広い用途で使用されています。
とくに、軽量でありながら強度が高い点や、耐食性に優れている点が、産業界での利用を支える要因です。
また、加工のしやすさや電気伝導性の高さも特徴的で、これらの性質がアルミニウムを様々な製品に適した素材としています。
ここでは、アルミニウムの9つの主要な特徴について詳しく見ていきましょう。
軽い
アルミニウムは、比重が約2.7と非常に低く、鋼材の約3分の1の重さしかありません。
この軽さは、自動車や航空機といった輸送機器にとって大きなメリットであり、燃費の向上や機動性の向上に貢献しています。
また、軽量であることは、建築材料としての利用でも重要な要素であり、建物の構造負荷を軽減し、施工の効率を高める要因です。
さらに、日常的に使用されるポータブルデバイス、例えばスマートフォンやノートパソコンなどにもアルミニウムが採用され、その軽量性が持ち運びやすさを提供しています。
このように、アルミニウムの軽さは多岐にわたる分野での利用を支えています。
強度が高い
アルミニウムは、その軽さにもかかわらず、高い強度を持つことが特徴です。
とくに、純アルミニウムに他の金属を添加して作られる合金は、比強度(密度あたりの引っ張り強度)が非常に高く、航空機や宇宙船、軍用車両など、過酷な環境で使用される製品に適しています。
例えば、亜鉛やマグネシウムを加えた7000番系の合金は、非常に高い強度を持ち、航空機の構造部材として広く使用されています。
また、アルミニウムは低温に強く、極寒の環境下でも強度を維持するため、LNGタンクや極地探査機の材料としても選ばれている金属です。
アルミニウムの強度は、軽さと組み合わさることで、非常に多用途にわたる活用が可能となっています。
サビにくい
アルミニウムは非常に錆びにくい金属で、その理由は表面に形成される酸化被膜にあります。
この酸化被膜は、アルミニウムが空気中の酸素と反応することで自然に生成され、外部の腐食因子から内部の金属を保護する重要な存在です。
このため、アルミニウムはとくに海洋環境や湿度の高い場所でも耐久性を発揮し、長期間にわたって錆びずに使用できるのが特徴です。
実際、船舶や海岸沿いの建築物など、過酷な条件下でもその性能を維持できることから、広く利用されています。
アルミニウムの耐食性は、メンテナンスの手間を減らし、コスト効率の面でも優れています。
加工しやすい
アルミニウムは優れた加工性が特徴の金属です。
延性が高いため、引き伸ばしや曲げ加工が容易であり、薄いアルミホイルから複雑な形状の部品まで、さまざまな形状に加工することが可能です。
また、アルミニウムは融点が低いため、鋳造がしやすく、さらに切削加工や溶接にも適しています。
これにより、精密な部品の製造が可能となり、航空機や自動車など、高い精度と耐久性が求められる分野で幅広く使用されています。
アルミニウムの加工性の高さは、製品の多様化と製造効率の向上に大きく貢献しており欠かせない存在です。
熱を通しやすい
アルミニウムは、優れた熱伝導性によって、さまざまな用途で重宝される金属です。
具体的には、アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍に達し、この特性が自動車のラジエーターや電子機器の放熱器、各種の熱交換器などで広く利用されています。
また、熱が速やかに均一に広がるため、調理器具の材料としても適しており、効率的な熱伝達が可能です。
さらに、銅と比べてコストが抑えられるため、経済的な選択肢としても評価されています。
アルミニウムの熱伝導性は、エネルギー効率を向上させる要素として、さまざまな産業で重要な役割を果たしています。
電気を通しやすい
アルミニウムは高い電気伝導性から、電気導体として幅広く使用されている金属です。
アルミニウムの電気伝導率は、銅の約60%ですが、その軽量性を活かすことで送電線として使用する際に、鉄塔の間隔を広げることが可能となり、コスト削減や設置の効率化に貢献しています。
とくに、重量を削減できる点が大きなメリットとなり、送電線や家電製品の部品としての利用が増加しています。
また、鉄よりも約3倍高い電気伝導率を持つため、効率的な電力伝送が可能で、エネルギー消費の削減にも貢献している金属です。
これらの特性により、アルミニウムはエネルギーインフラや電子機器において重要な材料となっています。
磁性がない
アルミニウムは非磁性体であり、磁場に影響されないという特性を持っている金属です。
この特性は、多くの産業や医療分野で重要な役割を果たしています。
例えば、MRI装置のように強力な磁場を使用する医療機器の周辺で、アルミニウムが用いられることで、装置の正確な動作を妨げることなく安全に使用することが可能です。
また、船舶の磁気コンパスや精密機器のケースにもアルミニウムが使用されており、これらの機器が磁場による誤動作を起こさないようにするために役立っています。
さらに、アルミニウムは他の非磁性体である金や銀、銅と比べてコストが低いため、経済的な選択肢としても優れています。
反射性が高い
アルミニウムは、光や熱の反射率が非常に高い金属です。
とくに、太陽光や赤外線を効果的に反射するため、建築材料や断熱材としての利用が進んでいます。
また、救命ブランケットや照明器具の反射板など、熱を保持したり、光を効率的に利用したりする場面でもアルミニウムの高い反射性が活かされています。
さらに、鏡面加工を施すことで反射率をさらに向上させ、光学機器や高精度な反射鏡としても利用されることが多いです。
このように、アルミニウムの反射性はエネルギー効率を高めるために欠かせない要素となっています。
毒性がない
アルミニウムは毒性がなく、人体や環境に対して非常に安全な金属です。
これにより、食品の包装材や医療機器、飲料缶など、直接人体に触れる製品に広く使用されています。
アルミニウムは人体内に取り込まれてもほとんどが排出され、健康に害を与えることはありません。
この安全性が認められているため、薬品の包装やキッチン用品にも使用され、日常生活において安心して利用できる材料として信頼されています。
アルミニウムの非毒性は、環境保護の観点からも重要であり、リサイクルによる環境負荷の軽減にも大きく貢献しています。
アルミニウムがリサイクルの王様と呼ばれる理由
アルミニウムは、リサイクルが非常に効率的であるため、「リサイクルの王様」と呼ばれることが多いです。
まず、アルミニウムのリサイクルでは、電気分解の工程が不要なため、製造時に比べて大幅にエネルギーを節約できます。
実際、リサイクルによるアルミニウムの生産には、原料から新たに製造する場合に比べてわずか3%のエネルギーしか必要としません。
さらに、アルミニウムは腐食しにくく、その品質が長期間にわたり維持されるため、リサイクル後も高い品質を保つことが可能です。
このような特性から、アルミニウムは繰り返し利用され、環境負荷の低減にも大きく貢献しています。
その結果、アルミニウムは持続可能な社会の実現に欠かせない素材とされています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アルミニウムは、軽量性、高強度、耐食性、そして優れた加工性を兼ね備えた金属であり、産業界から日常生活に至るまで幅広く利用されています。
また、熱や電気の伝導性が高く、非磁性であることから、精密機器や医療分野でも重要な役割を果たしています。
さらに、毒性がないため、安全性が求められる製品にも最適です。
特筆すべきは、リサイクル効率の高さで、少ないエネルギーで再利用が可能なため、環境保護と資源の有効利用に大きく貢献しています。
これらの特性により、アルミニウムは持続可能な社会の構築において不可欠な素材とされています。
今後もその需要は増加し続け、私たちの生活と産業を支える重要な役割を担い続けるでしょう。
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