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Columnブチルゴムって何?長所や短所をわかりやすく解説

ブチルゴムって何?長所や短所をわかりやすく解説

ブチルゴムとは、特殊な合成ゴムで、優れた性能が産業界全体で高く評価されています。

この素材の主要な特徴は、非常に高い気密性と耐久性です。

それにより、様々な環境下での使用に適しており、応用範囲は自動車の防振材から医療用品まで広がっています。

ブチルゴムの開発と進化は、今もなお多くの新しい技術と産業の進歩を支えており、この記事ではその驚くべき特性と用途、歴史について深掘りしていきます。

ブチルゴムがどのように私たちの世界を支えているのか、一緒に見ていきましょう。

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中澤社長 エコ・マテリアル

ブチルゴムとは

ブチルゴムは、イソブチレンとイソプレンのカチオン共重合から生まれる特殊な合成ゴムです。

このゴムの最大の特徴は、非常に高い気密性を持つことです。

その秘密は、主要な構成要素であるイソブチレンのメチル基が、ポリマー主鎖を覆い、動きを制限することにあります。

これにより、気体の透過を抑えることが可能です。

さらに、主鎖の二重結合が少ないため、他のジエン系ゴムよりも化学的に安定しており、耐久性に優れている点もブチルゴムの大きな特徴です。

ブチルゴムの長所と短所

ブチルゴムは、独特の構造から多くの利点を持つ合成ゴムです。

イソブチレンを主成分とし、非常に低いガス透過性を特徴としています。

これは、ブチルゴムが気体の移動を効果的に阻止できるため、多種多様な産業で重宝されている理由です。

さらに、耐久性が高く、様々な化学的、物理的条件下でも性質を維持できます。

長所

ブチルゴムの最大の長所は、優れたガス透過性の低さにあります。

これにより、真空バッグエアーダクトなど、空気漏れを極力防ぐ必要がある用途に最適です。

また、電気絶縁性にも優れているため、電線の被覆材としても広く利用されています。

さらに、耐寒性が高いため、極端に低温の環境でも性能を維持し、様々な環境での使用が可能です。

これらの性質は、特に厳しい環境条件下で使用される製品において、ブチルゴムを重要な材料として位置づけています。

短所

ブチルゴムの短所の1つは、加硫速度が遅いことです。

これは製造プロセスにおいて時間がかかるため、生産効率を低下させる可能性があります。

また、非極性の特性のため、油との相性が悪く、特定の化学物質に対して脆弱です。

さらに、金属や他のゴム材料との接着性が低いため、これらの材料との組み合わせには限界があります。

これらのデメリットは、ブチルゴムが使用される一部の製品において、材料選択の際の考慮事項となるでしょう。

ハロゲン化ブチルゴム

ハロゲン化ブチルゴムは、ブチルゴムの一種で、塩素や臭素が加えられることで、特性が改良されています。

この改良により、原材料のブチルゴムにはない接着性と加硫速度が向上しました。

特に、ジエン系ゴムとの互換性が向上しており、これにより広い範囲の製品で使用が可能です。

さらに、耐熱性が向上しており、高温下でも性能を保持できるため、様々な工業製品に適用されています。

ブチルゴムの特性と用途

ブチルゴムは、独特の特性から多岐にわたる用途で活用されている素材です。

このゴムの主な特性には、優れた衝撃エネルギー吸収性高い電気絶縁性優れた耐漏水性耐候性耐薬品性、そして幅広い温度範囲での耐熱性が含まれます。

衝撃エネルギー吸収性に優れるブチルゴムは、自動車の防振材やオーディオ機器の防振防音材など、振動や衝撃から機器を守る役割を果たします。

また、電気絶縁性は、絶縁テープや電線の被覆に利用され、長期間にわたる電気的安定性を提供している重要な素材です。

さらに、ブチルゴムの耐漏水性は、建築土木用の防水シートや人工芝の接着剤など、水漏れを防ぐ用途に特に有効です。

耐候性の高さも重要な特徴であり、大気中のオゾンや紫外線による劣化を極めて低減させるため、屋外での長期使用に適しています。

耐薬品性により、医薬品のゴム栓や化学薬品の取扱いに使用されるホースなど、薬品に直接触れる製品にも使用可能です。

最後に、耐熱性に優れたブチルゴムは、高圧スチームを扱うホースやコンデンサーのパッキンなど、高温環境下での使用にも耐えうる性能を持ちます。

これらの特性により、ブチルゴムは工業から日常生活に至るまで、幅広い分野で重宝される材料となっています。

ブチルゴムの歴史と今後

ブチルゴムの発展は、1937年にウィリアム・ジョセフ・スパークスによって始まりました。

彼は当時スタンダードオイルカンパニー(現エクソンモービル)で研究を行い、ブチルゴムを開発しました。

この開発は、スパークスの多くの特許の中でも特に重要なものであり、後に大量生産へと繋がります。

1940年代には、第二次世界大戦の合成ゴム拡充計画の一環として、アメリカ政府によって大量生産が実施されました。

日本では、1967年に日本ブチル株式会社(現エクソンモービル・ジャパン合同会社と日本合成ゴム株式会社の合弁)により生産が開始され、ブチルゴムは多くの産業で広く使用されるようになりました。

現在、ブチルゴムはタイヤチューブや防振材、防水材、接着剤、手袋など、多岐にわたる用途に利用されており、一部ではガムベースや爆発物のバインダーとしての使用もあります。

市場の規模は今後も拡大が見込まれ、年間4-5%の成長率が予測されています。

2022年時点での市場規模は約90万トンに達し、そのうち70%がタイヤ用途であり、残りは建設用途などで利用されました。

特に中国はブチルゴムの最大の消費国であり、世界消費量の約40%を占めています。

中国の自動車産業、特に電気自動車(EV)の需要の増加が、ブチルゴム市場の成長を後押ししているのです。

このように、ブチルゴムは歴史から現在に至るまで、持続的な成長を遂げており、今後もその需要は増え続けると考えられています。

ブチルゴムの多様な特性が新たな用途を開拓し、さらなる市場の拡大が期待されているのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ブチルゴムは優れた特性から、産業で広く利用されています。

耐久性耐候性、そして電気絶縁性など、多様な利点を持つこの素材は、私たちの日常生活や工業製品において欠かせない存在です。

今後もブチルゴムの応用範囲は広がり、価値をさらに高めていくことでしょう。

ブチルゴムの進化は、未来の産業発展において中心的な役割を果たすに違いありません。

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