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Column【早く知らないともったいない】銅板とチタン板を分離する特許技術とは!?

【早く知らないともったいない】銅板とチタン板を分離する特許技術とは!?

皆様こんにちは!株式会社エコ・マテリアルです。

本日は神奈川県横須賀市佐原1-1-47にあります株式会社花岡金属商会様にお邪魔しました。

花岡金属商会様は貴金属、レアメタルを始めたとした各種金属のリサイクルに取り組んでいる会社様になります。

当社エコ・マテリアルとは15年以上のお付き合いがあり昔からお世話になっております。

今回は、SDGsや※サーキュラーエコノミーといった新しい概念に、非常に早い段階から取り組んでいる「花岡金属商会」さんが新しい特許を取ったということで、そのお話を聞きに伺いました。

※サーキュラーエコノミーとは、リサイクルを前提として製品を作り、廃棄物になったものは資源として再び使えるようにする、という経済システムのことで、廃棄物を減らしていくための国際的な動きでもあります。

この素敵な取り組みがどのようにされているのか、さっそく見てみましょう。

花岡金属商会様コラボ動画 株式会社エコ・マテリアル公式Youtubeチャンネルより
左:中澤社長 右:花岡社長
(花岡金属商会様Instagramより)

花岡金属商会とは

花岡金属商会様は神奈川県でスクラップの買取り、金属資源のリサイクルをされている会社です。

特に電子機器に使われる基板や、その製造過程で生じる小さな金属片など、

いわゆる「金銀滓」を集め、再利用することに長年取り組んでいます。

「すべてを活かす」

このテーマを掲げ、金属リサイクルを通じて素材を活かすだけでは無く、関わる人、物全てを活かし、お客様と社員が誇りと喜びを感じることを第一に考える会社を目指している会社様です。

リサイクルシステムの開発背景

花岡金属商会様と、そのお客様である銅メッキ会社は、

リサイクル の側面から一緒に解決すべき課題がありました。

その取り組みから生まれたのが、これから紹介する新しい特許技術です。

ダミー板の問題点

めっき工場でめっき製品を製造する際、

作業効率を良くするためにダミー板に一緒にめっきをつけるということがあります。

そこで使われるダミー板には、「ガラスエポキシ銅張り積層板」という、

ガラス繊維と樹脂でできた板に銅箔が貼ってあるものが使われていました。

製品と違ってダミー板は銅が何度もめっきされ、厚くなると交換されます。

そして最終的には鉱山会社に収めて燃やされていました。これには二つの大きな問題がありました。

1.積層メーカーが国内から減っているので、ダミーの材料が入手しづらくなっている事。

2.回収されたダミー銅板は樹脂を含んでるので処理が難しく、燃やす時に出るCO2も課題。

そこでそれらを解決するためにどうしたかというと...

エポキシ樹脂からチタン板への置き換え

これらの問題を解決するために考えられたアイデアは

エポキシ樹脂の代わりにチタン板を使用すること。

チタン板を使うことで、交換が必要なダミー板(繰り返しめっきが付いてしまっている)

から簡単に銅を取り除く事が出来るようになり、ダミー板の再利用が可能になりました。

この実証を一緒にやってくれためっき工場さんの協力もあり、

チタン板から銅板を剥離する特許を出願して、取得することができました。

この特許技術により花岡金属商会様もめっき工場様も双方にメリットが得られるようになりました。

今回の技術のメリット

今までのダミー板は、使い終わったら 鉱山会社に処理を依頼し、粉砕され捨てられていました。

今回の技術で銅がリサイクル出来るので新しい銅を掘り出す必要も少なくなりました。

また、 ごみを減らす事が出来、 処理コストの削減にもつながりました。

製造コストの観点から見ても

チタンの方が材料費としては高いので、メッキ工場にはコスト面が心配されていましたが、

チタン板は繰り返し再利用できるのでコスト削減につながりとても喜ばれるようになりました。

1.資源のリサイクル

2.コスト削減

3.工数削減

新たな取り組み

花岡金属商会様は、めっき工場から出る廃液の処理方法にも目を向けています。

この廃液には少量の銅が含まれているので、捨ててしまうのはもったいないし、

処理するには専門の業者にお願いしなければならないので多額の費用がかかっています。

この廃液から銅を回収することが出来れば、めっき工場内で処理できるようになります。

これは本当に、先進的な取り組みだと思いました。

将来的には、薬品メーカー様と協業することによって、

めっき屋さんから出る廃液を原料に戻してまためっき屋さんに 戻すという、

サーキュラーエコノミーのループを完成させたいとのことでした。

まさにその完成が目の前に迫っているのを見せて頂くことが出来ました。

実用化されるのがとても楽しみです。

まとめ

今回は、花岡金属商会様にて、新しく取得した特許技術を見せてもらいました。

限りある資源を、各社協力して循環させていく仕組みを作り、

持続可能な仕事を作っている姿勢に、とても感銘を受けました。

当社、株式会社エコ・マテリアルでも花岡金属商会様に負けじと

技術に磨きを掛けサーキュラーエコノミーの取り組みをより一層強化していきたいと思います。

是非、本技術又は金属のリサイクルに関してご要望の際は

当社、「株式会社エコ・マテリアル」までお気軽にご連絡ください。