専ら物とは?定義と有価物との違い、適切な処理方法を解説!
企業活動において廃棄物の適正処理は重要な課題です。
その中で「専ら物」という言葉を耳にすることがあるかもしれませんが、具体的な意味や取り扱いルールについては十分に理解されていないことが少なくありません。
専ら物は、リサイクルを目的として扱われる特別な廃棄物ですが、その特徴や法的な取り扱いを誤解すると、思わぬ法令違反につながる可能性があります。
この記事では、専ら物の定義や有価物との違い、そして適切な処理方法について詳しく解説します。
正しい理解を深めることで、法令遵守と環境保全の両立を目指しましょう。
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専ら物とは
専ら物とは、正式には「専ら再生利用の目的となる産業廃棄物または一般廃棄物」を指します。
具体的には、リサイクルを主な目的として収集や運搬が行われる廃棄物を意味します。
この名称の通り、再利用を前提とした廃棄物であり、通常の産業廃棄物とは異なる取り扱いが必要です。
最大の特徴は、処理業の許可が不要である点にあります。
廃棄物処理法では、産業廃棄物の収集や運搬を事業として行う場合、通常は許可が必要です。
しかし、専ら物に関してはこの例外が認められており、法的には許可なしで収集・運搬が可能です。
また、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付も不要とされています。
ただし、専ら物が「廃棄物ではない」と誤解されることがありますが、これは誤りです。
専ら物はあくまで廃棄物の一種であり、例外的に許可やマニフェストが不要なだけです。
そのため、適切な処理方法を守るとともに、委託契約書の締結など、法的な手続きが求められることに留意しなければなりません。
専ら物と有価物との違い
専ら物と有価物は似たように見えることから混同されやすいですが、両者には明確な違いがあります。
有価物は「不要になったものであっても、有償で他人に売却できるもの」を指し、廃棄物には該当しません。
このため、有価物に対しては廃棄物処理法は適用されず、処理業の許可やマニフェスト、委託契約書の作成は不要です。
一方、専ら物は廃棄物の一種であり、廃棄物処理法の適用を受けています。
具体的には、専ら物は「再生利用を目的とする廃棄物」として、例外的に許可やマニフェストが不要とされる特別な扱いを受けますが、あくまで廃棄物の1つとして適切な取り扱いが求められます。
この違いを曖昧にしてしまうと、専ら物を有価物として誤った方法で処理し、法令違反に繋がるリスクがあるので注意してください。
企業が専ら物を処理する際には、対象が廃棄物であることを前提に判断し、処理業者との間で委託契約書を作成するなどの適正な対応が必要です。
有価物との違いを明確に理解することで、法令遵守と環境保全の両立を実現できます。
専ら物を処分するときに押さえるべきポイント3つ
専ら物を適切に処分するには、法令や通知に基づいた正しい知識を持つことが重要です。
ここでは、「マテリアルリサイクルで処分する」「処分時に委託契約書が必要」「環境省の通知にしたがって処分する」という3つのポイントを詳しく見ていきましょう。
マテリアルリサイクルで処分する
専ら物を処分する際には、マテリアルリサイクルが基本方針とされています。
マテリアルリサイクルとは、廃棄物を原材料として新たな製品を製造する方法です。
この方法により、資源の有効活用が図られるとともに、廃棄物の環境負荷が軽減可能です。
例えば、専ら物として扱われる古紙は新聞紙や段ボールに、ガラス瓶は断熱材に、アルミ缶は新たな金属製品に生まれ変わります。
しかし、専ら物として処分される品目がリサイクルされない場合、それは専ら物ではなく、産業廃棄物として扱われる可能性があります。
そのため、処理業者が適切にマテリアルリサイクルを行うかどうかを契約時に確認することが大切です。
適切なリサイクル方法の選択と確認を怠ると、結果的に法令違反や環境負荷の増大を引き起こしかねません。
企業として責任ある廃棄物処理を行うために、業者との連携が重要です。
処分時に委託契約書が必要
専ら物を処分する場合でも、産業廃棄物処理委託契約書の作成が必要です。
この契約書は、専ら物の処理が適切に行われたことを証明する重要な書類であり、法令で作成が義務付けられています。
契約書には、専ら物の種類や処理方法、引き渡し先業者の詳細を記載するのが一般的です。
専ら物の処分にはマニフェストの交付義務はありませんが、委託契約書を通じて処分の履歴を確認できるようにすることが推奨されています。
一部自治体では標準的な契約書の雛形を提供しており、それを活用することでスムーズな手続きを行うことが可能です。
契約書を作成せずに処分を委託した場合、企業に法的責任が生じ、罰則を科されるリスクがあります。
正確で詳細な記録を残し、トラブルを防ぐためにも、必ず適切な手続きを踏むようにしましょう。
環境省の通知にしたがって処分する
専ら物の処分に関する解釈は、令和5年2月28日に環境省から発出された通知で明確化されています。
この通知により、専ら物とされる品目やその処理に関する基準が統一されました。
通知では、以下のようなポイントが示されています。
- ・使用済みPETボトルや資源プラスチック、金属くずの一部は専ら物に該当しない。
- ・再生利用されない専ら物は、産業廃棄物処理業の許可が必要。
- ・専ら物の処理を業として行う場合、許可の有無が再生利用の有無によって異なる。
専ら物の処理に関しては、自治体ごとに解釈が異なるケースもあるため、通知の内容を参考にしつつ、適切な対応を行う必要があります。
環境省の通知は公式ウェブサイトに掲載されており、常に最新の情報を確認することが求められます。
法令に基づいた処分を行うことで、企業のコンプライアンスが強化されるとともに、社会的責任を果たすことにつながるでしょう。
専ら物の処分に関する注意点
専ら物を適切に処分するためには、法令で定められた産業廃棄物処理の基準を守ることが求められます。
具体的には、専ら物の運搬や処分を委託する際には、収集運搬業者および処分業者がそれぞれ許可を取得しており、委託する専ら物がその許可品目に含まれていることを確認しなければなりません。
この確認を怠ると、法令違反とみなされ、重大な罰則が科される可能性があります。
さらに、専ら物の処分を委託する場合は、必ず産業廃棄物処理委託契約書を締結することが重要です。
この契約書には、法令で定められた内容を記載する必要があり、締結を怠った場合には、処分を依頼した企業にも責任が及ぶ可能性があります。
最悪の場合、懲役や罰金といった厳しい罰則が適用されることもあるので注意してください。
また、専ら物が再生利用されないケースでは、処理業者が産業廃棄物処理業の許可を得ているかどうかを事前に確認する必要があります。
特に、専ら物を再生利用目的以外で処理する場合には、この許可の有無が適法性の判断に直結します。
法令を遵守しつつ、専ら物の適正処理を行うことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
専ら物は、リサイクルを目的とした特別な廃棄物として扱われますが、その特性や法的な取り扱いを正しく理解することが重要です。
有価物との違いを明確にし、専ら物として適切な条件を満たしているかを判断することが、法令遵守と環境保全に欠かせません。
また、専ら物の処理では、マテリアルリサイクルを徹底することや、委託契約書を確実に締結することが求められます。
専ら物の管理や処理を適切に行うことで、企業は環境負荷の軽減と法令違反の防止に貢献していきましょう。
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