【レアメタル】インジウムの基礎
こんにちは!株式会社エコマテリアルです。
今回はレアメタルの一種、インジウムについて説明していきたいと思います。
このコラムに辿り着いた方はもしかしたらご存じの内容もあるかもしれませんが
復習や確認も兼ねてぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
インジウムとは
インジウムは、元素記号Inおよび原子番号49の化学元素です。
インジウムは主に鉱石から抽出される希少な金属であり、銀白色をしています。
インジウムは柔らかく低融点で、高い熱および電気伝導性を持つことが特徴です。
「インジウム」は、ドイツの化学者フェルディナント・ライヒにちなんで名付けられました。
1863年に、ライヒと彼の助手であるヒルト・ツェルネクは、鉱石から新しい元素を発見しました。
当初はこの元素を「ニンディウム」と名付けましたが、後にこの名前は「ニンデ(Nind)」という地名に由来していることが判明し、元素の命名にはふさわしくないとされました。
その後、ライヒは元素を発見した地域の古代ローマ帝国の名称である「インディウム(Indium)」を提案しました。
インジウムは希少な金属で価格が比較的高く、供給は限られているのためリサイクルや再利用が重要な要素となっています。
また、インジウムは人体に対して毒性が低いため、医療用途や生体材料の一部としても研究されています。
現在の主要な生産国は中国、韓国、日本で主に中国の産出量が多くなっていますが、
かつては日本が世界最大の産出国で、北海道の豊羽鉱山は世界最大のインジウム鉱山でした。
しかし2006年に閉山しています。
インジウムの特徴
インジウムの特徴は以下の通りです。
物理的特性
インジウムの融点は約156度と低い融点を持つため、比較的低い温度で溶ける性質があります。
またインジウムの密度は、約7.31 g/立方センチメートルと一般的な金属と比較して比較的低い値となっています。
化学的特性
空気中で酸化しにくいという大きな特徴を有しています。
表面に酸化皮膜が形成され、インジウムを保護する役割を果たします。
また、インジウムは水に対しても比較的耐食性があります。ただし、濃硫酸や濃塩酸などの強酸には蝕まれることがあります。
電気的特性
電気伝導性: インジウムは非常に高い電気伝導性を持ちます。
この特性から、半導体素子や電子機器の接点や透明電極材料として広く使用されます。
超伝導性: インジウムは極低温下で超伝導状態になることがあります。
この特性からインジウム合金は、MRIなどの医療機器に使用されます。
インジウムの用途
インジウムは、主に以下のような用途で利用されます。
液晶ディスプレイ
インジウムスズ酸化物は、透明で導電性の薄膜として使われ、液晶ディスプレイやタッチパネルの電極として広く採用されています。
太陽電池
インジウムは太陽電池に使用され、非晶質半導体の層を形成し、光の吸収や電子伝導を助ける役割を果たします。
半導体
インジウムは半導体材料としても使用され、高速トランジスタや電子デバイスの製造において重要な役割を果たしています。
LED
インジウムガリウムナイトライトを使用した青色や緑色のLEDの製造において、インジウムは主要な成分として使用されます。
はんだ付け
インジウムは、はんだ付けの合金材料として使用されます。
高い融点を持ち、低い毒性を持つため、電子機器や航空宇宙産業などで広く採用されています。
インジウムの危険性
インジウムはスマートフォンのタッチパネルやテレビの液晶ディスプレイなどに使われている
レアメタルの一種で私たちの生活には欠かせないものとなっています。
しかし、2001年にインジウムが原因で死亡事例が発生したのをきっかけにインジウムの毒性が認識され始めました。
28歳の男性は数年間酸化インジウムスズを使用した研磨作業をされていましたが
呼吸困難や食欲低下などの症状から病院へ行ったところ間質性肺炎と診断されました。
「長期間にわたってインジウムの粉塵を吸引すること」が原因ということが検証されています。
スマートフォンやテレビなどの私たちが当たり前に使っているものにもインジウムが使用されていますが、
触れることができる場所には使用されておらず、直接触っても人体への影響はありません。
この死亡事例を受けて厚生労働省が2010年12月22日に
「インジウムスズ酸化物等の取扱い作業による健康障害防止に関する技術指針」を通知し具体的な取り扱い方法が定められました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はレアメタルの一つ、インジウムについて説明してきました。
エコマテリアルではレアメタルの買取を行っております。
未使用品・使用済みは問いません。
歪みや変形などがある製品でも引取が可能となっております。
回収した貴金属は再生することが可能で限りある資源を無駄にはしません。
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今後も様々なレアメタルについてのコラムを更新していきたいと思いますので
是非次回も楽しみにしていてください!