リサイクル率についての基礎知識|海外のリサイクルについても紹介!
リサイクル率は、企業が持続可能な経営を推進するために重要な指標の1つです。
企業活動によって排出されるごみがどれだけリサイクルされているのかを示すこの数値は、環境負荷の削減に直結します。
この記事では、リサイクル率の基本的な仕組みや資源別のリサイクル率、そして海外でのリサイクル事情に加え、企業が取り組むべき具体的な方法について詳しく解説します。
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目次
リサイクル率とは
リサイクル率とは、ごみの総排出量に対するリサイクルされたごみの割合を示す数値です。
この数値は、環境負荷を軽減するために重要な指標であり、リサイクルの実行状況を把握するために使用されます。
リサイクル率は、特定の期間内に排出されたごみのうち、どれだけが資源として再利用されたかを計算し、パーセンテージで表します。
例えば、100トンのごみが発生し、そのうち40トンがリサイクルされた場合、リサイクル率は40%です。
企業においても、このリサイクル率の向上が持続可能な経営の一環として注目されており、環境への貢献度を高めるための指標として活用されています。
ごみの総排出量とは
ごみの総排出量とは、ある期間内に排出された全てのごみの量を指す数値です。
環境省は、この総排出量を「計画収集量」「直接搬入量」「集団回収量」の合計として定義しています。
計画収集量とは、自治体が定期的に収集するごみの量を指し、直接搬入量は、再生業者や処理業者に直接持ち込まれたごみの量です。
また、集団回収量は、住民団体などが自主的に回収したごみの量を指します。
これらの合計により、ある地域や企業から排出されるごみの総量が把握できるため、リサイクルや廃棄物処理の効率化を図る際の基準の数値です。
リサイクル量とは
リサイクル量とは、ごみの総排出量のうち、再利用可能な資源として回収されたごみの量を指します。
具体的には、直接資源化された量、中間処理後に再利用された量、そして住民団体などによって回収されたごみが含まれます。
直接資源化量は、再生業者などに直接運ばれ、処理施設を経ずに再利用されるごみを指し、中間処理後再生利用量は、処理施設で加工・分別された後に資源として再利用される量です。
このリサイクル量が多いほど、資源の有効活用が進み、環境負荷の軽減が期待されます。
資源別のリサイクル率
リサイクル率は資源ごとに異なり、それぞれの資源に対して最適なリサイクル方法が存在します。
古紙、缶、ペットボトル、プラスチックなどの資源は、日本国内でも高いリサイクル率を誇っており、これらの資源の循環利用は環境保護や資源の有効活用に大きく貢献していると言えるでしょう。
各資源のリサイクル率とその背景を理解することは、企業が持続可能な運営を目指すうえで重要な要素です。
ここでは、それぞれの資源別にリサイクル率を見ていきましょう。
古紙
古紙のリサイクル率は、2022年時点で66.3%と高水準を維持しています。
古紙は、新聞、段ボール、紙パックなどがリサイクルされ、家庭や事業所から回収された古紙は古紙問屋で分別・圧縮され、製紙工場へと送られます。
そこで再び紙の原材料として加工され、新聞紙やトイレットペーパー、段ボールなどの紙製品に生まれ変わるのです。
古紙のリサイクルは、森林資源の保護に加えて、廃棄物の減少にもつながり、資源循環型社会の実現に貢献しています。
缶
缶にはアルミ缶とスチール缶があり、それぞれのリサイクル率は非常に高いです。
2021年度のアルミ缶のリサイクル率は96.6%、スチール缶は93.1%となっています。
アルミ缶は再びアルミ製品や飲料缶としてリサイクルされ、スチール缶は自動車部品や建材などに再利用されます。
アルミ缶は何度でもリサイクルが可能であり、リサイクル工程でのエネルギー消費も新たにアルミを精錬するより少ないため、環境に非常に優しい素材です。
ペットボトル
ペットボトルのリサイクル率は、2021年度で86.0%となっています。
ペットボトルは、回収後に市町村で分別され、再商品化事業者によって原料化されます。
この原料は新たなペットボトルに加工されるほか、衣類やカーペット、シート材などに再利用することも可能です。
特に、ペットボトルはリサイクルしやすい素材であり、その高いリサイクル率は、企業や自治体の回収努力と消費者の協力によって支えられています。
プラスチック
プラスチックは2021年度のリサイクル率が87%と高い数値を示していますが、これはマテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクルの3種類のリサイクル方法が組み合わさって実現されている数値です。
マテリアルリサイクルでは、廃プラスチックを製品に再加工し、ケミカルリサイクルでは化学処理で原料に戻して再利用します。
サーマルリサイクルは、廃プラスチックを燃料として熱エネルギーに変換する方法です。
これにより、リサイクルされなかったプラスチックも有効活用されています。
海外のリサイクル率
海外のリサイクル率は国ごとに大きく異なり、リサイクル推進に向けた法制度や社会の意識がその差を生み出しています。
OECDによる2021年のデータでは、スロベニアが52.8%で最も高く、次いでドイツが48.6%、スイスが42.0%です。
これらの国はリサイクルに対するインフラ整備が進んでおり、リサイクル率が高い要因となっています。
反対に、世界全体の平均リサイクル率は15%程度と低く、日本もランキング圏外に位置しており、国際的な比較において課題を抱えています。
また、リサイクル率の算出方法や基準は国によって異なるため、単純な比較が難しいです。
リサイクル率を高めるために必要な取り組み
リサイクル率を向上させるためには、企業や個人が日常生活の中で意識的に取り組むことが必要です。
これには、リフューズ(発生抑制)、リデュース(排出抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)といった具体的な行動が重要な役割を果たします。
それぞれの取り組みを実行することで、ごみの発生を抑え、資源を効果的に活用し、リサイクル率を高められます。
ここでは、各取り組みの詳細について解説します。
リフューズ(発生抑制)
リフューズとは、そもそもごみを出さないために、不要なものの購入や受け取りを拒否する行動を指します。
使い捨てプラスチックや過剰な包装を避けることで、ごみの発生を抑えることが可能です。
具体的には、エコバッグを使ってビニール袋をもらわない、マイボトルや金属製ストローを持参する、といった行動がリフューズに該当します。
また、2022年に施行された「プラスチック新法」により、企業や自治体もプラスチック使用の削減や資源循環の促進を求められています。
企業にとっては、製品設計から再利用までのプロセスでリフューズを取り入れることが重要です。
リデュース(排出抑制)
リデュースとは、製品やごみの排出を減らすことを目的とした取り組みです。
これは、製品を長く使い続けたり、資源の使用を最小限に抑えることを目指す行動を指します。
たとえば、生ごみの削減を目的とした「生ごみ3きり運動」や、マイバッグ・マイボトルの使用が具体的な実践例です。
また、詰め替え用の商品を積極的に購入することで、新しい容器の使用を避けられます。
企業においては、製品の修理サービスや、再利用可能な資源の使用を推進することでリデュースを実現可能です。
リユース(再使用)
リユースとは、一度使用した物を捨てずに、再利用することを意味します。
この取り組みでは、製品や資源をそのままの形で使い続けることが推奨されます。
例えば、不要になった物をリサイクルショップやフリーマーケットで販売したり、購入することがリユースです。
また、企業においては、製品の再販売や再利用可能な包装材の使用が有効です。
リユースを促進することで、製品の寿命を延ばし、資源の消費を抑えられます。
リサイクル(再生利用)
リサイクルは、使用済みの製品を廃棄せずに再資源化して、新たな製品や材料として利用する取り組みです。
一般的な行動としては、ごみの分別を徹底し、資源集団回収や公共施設での資源回収ポイントを活用することが挙げられます。
企業では、製品の製造過程で発生した廃棄物を再利用するほか、リサイクル素材を積極的に導入することでリサイクル率を高めることが可能です。
リサイクルの取り組みを強化することで、廃棄物を減らし、資源の有効活用を促進できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
リサイクル率は、企業が持続可能な社会を実現するために重要な指標です。
リサイクル率を向上させるためには、ごみの総排出量やリサイクル量を正確に把握し、適切な対策を講じることが求められます。
古紙や缶、ペットボトル、プラスチックなど、資源ごとのリサイクル方法を理解し、それに基づいた取り組みを行うことが重要です。
また、リフューズ、リデュース、リユース、リサイクルといった循環型社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進することで、リサイクル率をさらに高められます。
企業は環境への負荷を減らしつつ、持続可能な経営を目指すために、これらの取り組みを実行に移す必要があります。
今後もリサイクル率の向上に向けて、全員で取り組んでいきましょう。
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