鉛の特徴と使用例とは?スクラップ売却時のポイントも解説!
柔らかさと重みが特徴である鉛は、その特性を活かしておもりや自動車用のバッテリーに使用されることが多い金属です。また密度が高いことから、医療現場で放射線の吸収材としても利用されています。
しかし鉛は毒性を持つ金属で、体内に蓄積されると健康被害を引き起こす側面も持っています。
こちらの記事では鉛についての基礎知識から、おもな鉛製品の例、リサイクルと売却時の注意点について解説します。
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目次
鉛の基礎知識
鉛は古代エジプトの時代からさまざまな用途で使用されてきた金属です。
その性質が重宝されてきた一方で、毒性についての理解が深まるにつれ、使用方法には変化が求められています。
以下では、鉛の基本的な性質と毒性について解説します。
鉛の性質
鉛は柔らかさに特徴があり、薄い板状であれば手で曲げたりはさみで切ったりすることが可能な金属です。
融点が低いため加工しやすく、見た目は青みがかった銀色をしています。
サビやすい面がありますが、表面に酸化被膜が形成されるため、内部まで腐食が進みにくいことがメリットです。酸化被膜によって表面がくすんでも、削れば本来の光沢が出てきます。
柔らかい反面比重が重く、おもりとして使用されることがあります。ただし腐食が進むと金属は溶けてしまうため、軽くなってしまうことが弱点です。
鉛が持つ毒性
鉛中毒とは、鉛の接種が原因となって引き起こされる中毒症状のことです。
鉛が体内に蓄積されると、頭痛、貧血、歩行の協調障害などが起こります。
鉛はおしろいや陶磁器の釉薬、はんだ付けなどに使われてきましたが、現在は鉛中毒への対策のため、現在では鉛を使用しないものが普及しています。
鉛中毒は人だけでなく動物でも引き起こされるため、狩猟において鉛弾の使用を規制している自治体があります。
鉛を使用した製品の例
鉛は柔らかさや比重の重さを利用して、多くの分野で利用されています。
以下では、おもな鉛製品3つを紹介します。
自動車のバッテリー
日本で消費される鉛の大半が、自動車のバッテリーに使われています。
バッテリーの電極板や、ターミナルと呼ばれる突起部に鉛が使用されています。
鉛のほか、ニッケルカドミウムやリチウムイオンなどのバッテリーもありますが、鉛バッテリーはほかのものと比較して、定期交換のコストが安いというメリットがあります。
また取扱いが簡単で、使用後も再利用しやすいことも特徴です。
デメリットとしては、重たいことや放電状態を放置すると性能が低下することがあります。
鉛バッテリーは起電力が大きく、エンジン始動時のように短時間で大きな電力が必要とされる場面に適していますが、重たいため用途は限られます。
釣り具や漁網のおもり
鉛は比重の大きい金属で、小さくても重量があることから釣り具のおもりに使用されてきました。
しかし鉛が海中に残存することで環境汚染が起こるリスクがあるため、EUでは鉛の使用を規制する動きが出ています。日本においても鉛製のおもりを使用するリスクを指摘する研究があり、鉛不使用の鉄のおもりを推奨する動きも出てきています。
レントゲン室の遮蔽板
鉛はX線を遮蔽する働きを持ちます。また放射線を浴びると、そのもの自体が放射性物質化してしまう「放射化」という現象がありますが、純度の高い鉛では放射化が起きません。
そのためレントゲン室やCT室の壁やドアには、ブロック状や毛のように細く加工された鉛が使われています。
技師が着る防護衣も、鉛が使用されたものがあります。
鉛のリサイクル
鉛のリサイクルは、持続可能な社会にとって欠かせない課題です。
以下では鉛のリサイクルの現状と、スクラップ売却時の注意点について解説します。
鉛のリサイクルの現状
鉛はほかの金属に比べてリサイクル率が高い素材です。
近年では鉱石の採掘量が減っているのに伴って、リサイクル原料の鉛地金の生産量がより増加しています。
2010~2013年は鉱石原料から作られた鉛とリサイクル原料から作られた鉛の比率は4:6だったのに対し、2018~2019年には3.5:6.5になっているのです。
鉛の需要のほとんどがバッテリーであることから、リサイクル原料として廃鉛バッテリーが取引されています。
日本国内で出る廃鉛バッテリーの相当量が海外、とくに韓国へリサイクル原料として輸出されていました。しかし、2017年から2018年にかけて改正、施行されたバーゼル法の影響で4,000トン以上あった輸出量がほぼゼロになっています。
韓国への輸出量の減少に伴って、高騰していた廃鉛バッテリーの価格が落ち着き、国内での流通量も安定してきています。
売却可能な鉛スクラップと注意点
鉛のスクラップは、廃鉛バッテリー以外にも以下のようなものがあります。
- ●バランスウェイト
- ●鉛管
- ●鉛板
- ●鉛錘
売却するときは、ほかの金属が混ざっていないか、あるいは泥やコンクリートといったダストが付着していないか注意してください。
鉛以外のものが混入していると、買取金額の低下に繋がります。
また、価格交渉をスムーズに進めるには、まとまった量で持ち込むことや相場を把握することもポイントです。
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【まとめ】鉛スクラップの買取ならエコ・マテリアル
鉛の特徴と用途まとめ
- ●柔らかく、はさみで切ることができる
- ●酸化被膜が形成されるため、内部は腐食しにくい
- ●日本で消費される鉛の大半は自動車のバッテリーが用途となっている
鉛スクラップ売却時のポイント
- ●まとまった数量で売る
- ●ダストを取り除き、ほかの金属と分別する
- ●価格相場を理解する
鉛は独特の性質を持ち、自動車のバッテリーや医療現場での放射線防護など、用途は多岐にわたります。鉛のリサイクルは資源の再利用と環境汚染を防ぐ観点からも重要であり、鉛スクラップは適切な取扱いが必要です。
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