【レアメタル】タンタルの基礎
こんにちは!株式会社エコマテリアルです。
今回はレアメタルの一種、タンタルについて説明していきたいと思います。
このコラムに辿り着いた方はもしかしたらご存じの内容もあるかもしれませんが
復習や確認も兼ねてぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
タンタルとは
タンタルは、元素記号Ta、原子番号73の金属元素であり、耐食性、耐摩耗性、高融点、高密度などの特性を持つ素材です。
タンタルは、地球上で比較的希少な金属であり、鉱物のコロンバイトやタンタル鉱石から抽出されます。
タンタルの語源は、北部タンザニアにある町【タンガ】に由来します。
1902年、この地でスウェーデンの化学者アンデションが新しい元素を発見し、タンタルと名付けました。
タンタルは、自然界ではタンタル鉱石として産出されます。
タンタル鉱石は、スズ、タングステン、ニオブなどの鉱石と同様に、地殻中に存在する希少金属鉱石の一つです。
また、タンタルは、ニオブと共に同じグループの元素であり、化学的性質が類似しています。
そのため、タンタルはニオブと一緒に産出されることが多く、両者を区別することは非常に困難です。
タンタルの生産地は、主にオーストラリア、ブラジル、コンゴ民主共和国、ルワンダ、ウガンダ、エチオピア、ナイジェリア、カナダ、中国、ロシアなどです。
これらの国々は、世界のタンタル生産量の大部分を占めています。
コンゴ民主共和国は世界最大のタンタル生産国であり、約60%のタンタルがこの国で生産されています。
しかし、コンゴ民主共和国におけるタンタルの採掘には人権問題や紛争鉱物の問題があり、サステナブルな採掘が課題とされています。
他の生産国でもタンタルは珍しい希少金属鉱石の一つであるため、需要が高まっていることから
採掘の拡大が進んでいますが環境や人権問題に配慮しながらその影響を最小限に抑えることが求められます。
タンタルの特徴
タンタルには以下のような特徴があります。
高融点
タンタルの融点は、約2996℃と非常に高いため、高温環境においても形状が変わりにくく、耐久性が高いです。
耐食性
タンタルは、酸やアルカリに対して非常に耐性があります。そのため、化学プラントや石油・ガス産業などで使用されます。
高密度
タンタルの密度は、約16.6 g/cm3と非常に高いため、強靭であり、摩耗に対しても耐性があります。
良好な導電性
タンタルは、導電性が良く、高温環境においても安定しています。そのため、半導体製造や電子部品などで使用されます。
タンタルとニオブの違い
タンタルとニオブは、両方ともd遷移金属として知られている元素ですが、いくつかの違いがあります。
密度と融点: タンタルはニオブよりも密度が高く、約16.6 g/cm3です。また、タンタルの融点は約2996℃であり、ニオブの融点よりも高いです。
化学的性質: タンタルとニオブは、どちらも反応性が低く、空気や水と反応しにくい性質を持っています。ただし、ニオブはより反応性が高い傾向があります。
用途: タンタルは、高温や化学的ストレスに耐性があるため、航空宇宙産業や化学プラントなどで使用されます。一方、ニオブは、超伝導材料や高温炉などの高温アプリケーションで使用されます。
以上が、タンタルとニオブの主な違いです。
タンタルの用途
タンタルは、その特性から多くの分野で使用されています。
電子機器
タンタルは、高い耐久性と安定性を持ち、小型化された電子機器や半導体製造のプロセスに使用されます。
タンタルコンデンサーは、スマートフォンやタブレットなどのデジタル機器に広く使用されています。
医療機器
タンタルは、生体適合性が高く、人体に対する影響が少ない素材であるため、医療機器に使用されます。例えば、人工関節や歯科インプラントなどに使用されます。
航空宇宙産業
タンタルは、高温に耐える性質があり、ジェットエンジンやロケットエンジンなどの高温環境での使用に適しています。また、タンタル合金は、航空機の構造材料としても使用されます。
化学プロセス
タンタルは、腐食に対する耐性があり、化学プロセスの装置や配管に使用されます。特に、強アルカリ性の化学物質に対する耐性が高いことから、石鹸や合成繊維などの製造プロセスで使用されます。
石油・ガス産業
タンタルは、高温・高圧での使用に適した素材であるため、石油やガスの探査・生産プラントに使用されます。タンタル製のバルブや配管は、高温・高圧の環境での使用に耐えることができます。
以上のように、タンタルは多岐にわたる分野で使用され、現代社会にとって不可欠な素材となっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はレアメタルの一つ、タンタルについて説明してきました。
エコマテリアルではレアメタルの買取を行っております。
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今後も様々なレアメタルについてのコラムを更新していきたいと思いますので
是非次回も楽しみにしていてください!