プラスチックの代替品6つのメリット・デメリットと新素材を解説!
レジ袋が有料化され、エコバッグを持ち歩く人を見かけることが増えました。
スーパーや雑貨店の中には、個包装をやめて量り売りをはじめる店舗も現れ、脱プラスチックの動きが進んでいます。
軽量で安価なプラスチックは便利な素材ですが、環境保護のためには徐々に使用量を減らしていく必要があります。
ではプラスチックの代わりになる素材にはどのようなものがあるのでしょうか?
こちらの記事ではプラスチックの代替品となる素材6つをピックアップ。
それぞれの素材がもつ特徴や、使用する上でのメリットやデメリットを解説します。
また新しく開発された、自然に還るプラスチックについても取り上げます。
エコ・マテリアルでは金属スクラップに関する動画をYouTubeで配信しています。
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【プラスチックの代替品】6つの素材
プラスチックの代替品として使われている素材6つの特徴やメリット・デメリットを解説します。
金属
ストローやお弁当箱、フライ返しなどのキッチンツールにプラスチックはよく使用されていますが、金属で代用することが可能です。
たとえばお弁当箱にはアルミ製のものがあります。
アルミはプラスチックに比べて匂いや色が付きにくく、きれいな状態を保ちやすいというメリットがあります。
ただし電子レンジに入れて温めることはできません。
水筒の場合はステンレス製のものだと保冷・保温ができ便利ですが、プラスチックに比べて重たくなってしまうため、荷物の量が多いときや長時間の持ち歩きは難しいことも。
プラスチックを金属で代用する場合は、重さがネックになることが多くあります。
しかし金属は破損しても、再生して繰り返し使えるメリットがあるため、プラスチックの代わりにぜひ取り入れたい素材です。
シリコン
シリコンはプラスチックの代替品として、近年注目を浴びている素材です。
製品によって差はありますが、マイナス60度から300度までの幅広い温度に対応しているため、食品の保存や調理の容器に利用されることが多くあります。
下ごしらえした食材を入れて冷凍庫で保管し、そのままオーブンで加熱調理することが可能です。
柔らかさと水に強い特徴がプラスチックと似ているため、化粧品や小物をいれるポーチとして使われることもあります。
破損して使えなくなったシリコンは、溶かして成型することで再び使用できるようになります。
紙
紙はストローやテイクアウト容器、袋、店舗の販促物など幅広く利用されています。
和紙から作った糸で服や靴下を製造する企業も出てきました。
脱プラの動きが進む中で、目にする機会がもっとも増えた素材ではないでしょうか。
紙はその加工性の良さが特徴です。
さまざまな形に成形ができ、撥水機能を持たせれば紙コップのように液体の容器としても使えます。
また軽いため持ち運びしやすく、輸送コストが安価な点もメリットです。
しかし耐久性を上げるには特殊な加工が必要で、重たいものの持ち運びや、長期間の保存には向いていません。
一般的に紙は3~5回ほど繰り返して利用できるとされています。
しかし何度もリサイクルしたものは耐久性が低くなるため、品質維持のために新しいパルプを混ぜる必要があります。
また汚れが付いた紙や特殊な加工が施された紙はリサイクルすることができません。
植物繊維
脱プラが進む中で、麻やヘチマ、ヤシなどの繊維を使った商品を目にすることが増えました。
ヘチマやヤシが使われたキッチンスポンジや、畳の原料のい草を使用した食べられる箸などが販売されています。
植物繊維のメリットは、生分解性に優れている点にあります。
セルローススポンジやウール100%のセーターは、土に埋めると分解されて自然に還ります。
ただし合成繊維が混ぜられたものは分解されず、マイクロプラスチックが残ってしまうため、土に埋めることはできません。
また生分解をスムーズに進めるには、適した環境を用意する必要があります。
竹
竹を使った製品にはストローや水筒、カゴ、楽器などがあります。
軽くて強度があり、抗菌性を持つことから、竹は食材を入れる容器に向いているといえるでしょう。
また成長が早く丈夫であることから、木の代わりに建材として利用されることもあり、さまざまな活用法が期待できる素材です。
しかしプラスチックに比べて成形がしにくいため、効率的な加工方法の開発が期待されます。
野菜・海藻
プラスチックの代わりに、野菜や海藻などの食品を原料とした製品も作られています。
たとえばにんじんや海苔はお弁当カップ、寒天は緩衝材、サトウキビの搾りかすはパルプとなって紙製容器に使用されています。
野菜や海藻から作られた食べられるお弁当カップであれば、中に入れた食材と一緒に食べられるため、廃棄されることがありません。
寒天は使用後に土に埋めると、自然に還るだけでなく土壌の保水力を高める効果も期待できます。
サトウキビが原料の容器は、接着剤やラミネートによる加工がされていないものであれば生分解されます。
以上のように、自然に還る多種多様なプラスチックの代替品が開発されています。
自然に還る「生分解性プラスチック」
紙や食物繊維などの代替品を使用した製品が増えてきましたが、プラスチックのメリットを残した新しい素材の開発も進んでいます。
プラスチックは暮らしのいたるところにあり、製品作りに欠かせない素材です。
そこで自然に還る「生分解性プラスチック」が開発されました。
以下では、生分解性プラスチックの製造方法、メリット・デメリットについて解説します。
材料と製造方法
生分解性プラスチックとは、微生物によって二酸化炭素と水に分解されるプラスチックのことです。
原料は化石由来のものと植物由来のものの、2種類があります。
植物由来の生分解性プラスチックは、トウモロコシやサトウキビ、ジャガイモなどでん粉を多く含む植物を使用しています。
生分解性プラスチックの製造に必要な乳酸は、でん粉を発酵させて製造するためです。
生分解性プラスチックの製造工程は、以下のステップで進みます。
- 1.糖の抽出:植物から取り出したでん粉を酵素で分解し、糖を抽出します。
- 2.発酵:糖に乳酸菌を加えて発酵させると乳酸になり、さらに化学合成させることでポリ乳酸を作り出します。
- 3.成形:ポリ乳酸を加工・成形すると、生分解性プラスチックの完成です。
メリット・デメリット
生分解性プラスチックは、従来のプラスチックのように薄くて軽く、一定の強度を持った製品が作れます。
分解に必要な環境が整っていれば自然に還るため、農作物の生育で使われるフィルムの「マルチ」のような屋外で使われる製品に向いているでしょう。
ただし生分解を進めるには、微生物を活性化させるための条件を整える必要があります。
温度や湿度などの一定の環境が揃うことで分解が進むため、自然の中に放置していても、必ず分解されるわけではありません。
また生分解性プラスチックはまだ普及率が低く、コストが割高になる面も課題となっています。
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【まとめ】プラスチックの代替品はさまざまな種類がある
プラスチックの代替品となる素材は、以下の通りです。
- ●金属
- ●シリコン
- ●紙
- ●食物繊維
- ●竹
- ●野菜・海藻
企業も消費者も、脱プラスチックの方向に進みつつあります。
プラスチックは軽くて丈夫、コストも安く便利な素材ですが、持続可能な社会を実現するためには使用量を減らしていくことが求められているのです。
完全にプラスチックをなくすことは難しいかもしれませんが、他の素材で対応できるものは置き換える、自然に還るプラスチックの普及率を上げる努力が必要となっています。
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