委託した産業廃棄物の不法投棄は罰則があるのか徹底解説!
産業廃棄物の処理を業者に委託する際、不法投棄は企業にとって大きなリスクです。
不適切な処理が行われた場合、排出事業者も罰則の対象となり、信頼を損なう可能性があるためです。
この記事では、不法投棄の定義や原因、その影響に加え、排出事業者が果たすべき責任や信頼できる処理業者を選ぶためのポイントについて解説します。
適切な委託と管理を徹底し、不法投棄を防ぐための知識を身につけましょう。
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不法投棄とは
不法投棄とは、廃棄物を法律で定められた処分場以外の場所に捨てる行為のことです。
この行為には未遂も含まれ、山中や海、川、道路、空き地、さらには私有地に廃棄物を放置した場合も不法投棄として扱われます。
廃棄物は種類ごとに適切な処分場で管理されることが法律で義務付けられており、産業廃棄物であれば「産業廃棄物最終処分場」、一般廃棄物であれば「一般廃棄物最終処分場」で処分しなければなりません。
環境省の調査によると、令和3年度には新たに107件の不法投棄事案が判明しています。
この数は前年の139件と比較して減少していますが、依然として年間100件以上の不法投棄が発生していることは深刻な問題です。
こうした違法行為は自然環境に多大な悪影響を及ぼし、法的にも厳しい罰則が科される可能性があるため、特に注意が必要です。
不法投棄が起こる原因と影響とは?
不法投棄は、産業廃棄物の適切な管理や処理が行われない場合に発生します。
原因としては、処分場の不足やコスト削減を目的とした不正行為など、さまざまな背景が関係していることが多いです。
一方で、不法投棄がもたらす影響は、自然環境や人々の生活に深刻なダメージを与えます。
排出事業者としては、不法投棄のリスクを理解し、防止するための適切な対応が不可欠です。
ここでは、不法投棄の主な原因と影響について詳しく見ていきましょう。
不法投棄が起こる主な理由
不法投棄が発生する理由の1つは、全国的な処分場の不足です。
環境省の調査によると、最終処分場の残余年数は令和3年時点で21. 4年とされています。
処分場の限られた容量が、不法投棄の背景として重要な要因となっています。
また、処理業者が自社の処理能力を超える産業廃棄物を受け入れるケースも問題です。
利益を優先し、適切な処理を怠った結果、廃棄物が不法に放置されることがあります。
さらに、悪質な業者がコスト削減のために必要な設備投資を行わず、不法投棄に至る場合もあるのです。
こうした業者は処理コストを削減することで競争力を維持しようとしますが、その裏で環境や社会に大きな負担を与えています。
これらの要因が重なることで、不法投棄の問題が広がっています。
不法投棄が及ぼす影響
不法投棄が発生すると、環境への影響は計り知れません。
大量の産業廃棄物が不適切に処分されることで、土壌や水質が汚染され、農業や漁業に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、この汚染は人々の健康にも影響を与えるリスクがあり、特に長期間放置された場合には原状回復が困難です。
汚染された土地や水源の修復には多大な時間とコストがかかるため、不法投棄を防ぐことは非常に重要です。
さらに、不法投棄が原因で災害や事故が発生するリスクもあります。
例えば、廃棄物の堆積が原因で土砂崩れが発生したり、火災が起きる可能性があります。
これらのリスクは周囲の住民や自然環境に甚大な被害をもたらすため、早急な対応が必要です。
不法投棄は単なる環境問題に留まらず、社会全体の安全と持続可能性に関わる重大な課題といえます。
排出事業者が問われる責任
産業廃棄物の不適正処理が行われた場合、その責任は処理を委託した排出事業者にも及んでしまうので注意が必要です。
不法投棄を行った処理業者だけでなく、排出事業者にも罰則が科される可能性があるため、適切な委託と管理が求められます。
廃棄物処理法では「排出者は最終処分までの責任を負う」と規定されており、処理業者の不法投棄が発覚した場合でも排出事業者が免責されることはありません。
ここでは、委託基準違反と注意義務違反について詳しく見ていきましょう。
委託基準違反
排出事業者が処理業者に産業廃棄物を委託する際には、法律で定められた基準を遵守する必要があります。
この基準には、契約書の作成やマニフェストの交付が含まれます。
例えば、無許可業者に廃棄物処理を依頼した場合や、口頭のみで契約を結んだ場合は委託基準違反です。
また、虚偽の内容を含むマニフェストを作成したり、交付や保管が不適切だった場合も違反に該当します。
委託基準違反が認められた場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。
また、行政から措置命令が下され、不法投棄された廃棄物の撤去費用を負担しなければならない場合もあるので注意しましょう。
これを防ぐためにも、処理業者選びや契約の際には、法令を遵守した手続きを徹底することが欠かせません。
注意義務違反
注意義務違反とは、排出事業者が委託先の問題を認識していながら、適切な対応を取らなかった場合に問われる責任です。
例えば、処理料金が相場と比較して極端に安価であったり、業者の不法投棄や過剰保管を知りながら契約を続けたりした場合が該当します。
また、明らかな違法行為が疑われる状況で、調査や確認を怠った場合も注意義務違反です。
注意義務違反が認定された場合には、行政から措置命令が下される可能性があります。
命令の内容には、不法投棄された廃棄物の撤去や適切な処分が含まれ、場合によっては罰則も科されます。
処理業者の選定や契約後の監視を怠らず、適切な対応を取ることで、注意義務違反のリスクを回避することが可能です。
信頼できない処理業者を見極めるためのチェックポイント
信頼できる産業廃棄物処理業者を選ぶことは、不法投棄を未然に防ぎ、企業の法的リスクを軽減するために非常に重要です。
業者選びを怠ると、不適正処理や不法投棄に巻き込まれ、排出事業者として罰則を受ける可能性があります。
ここのチェックポイントを押さえ、業者の信頼性をしっかりと確認することで、安全かつ適切な廃棄物処理を実現しましょう。
産業廃棄物処理業の許可を持っているか
産業廃棄物処理業を営むには、法律で定められた許可が必要です。
無許可で業務を行う業者に依頼すると、不法投棄のリスクが高まるだけでなく、排出事業者も罰則を受ける可能性があります。
信頼できる業者かどうか確認するには、環境省の「産業廃棄物処理業者情報検索システム」を活用するのが有効です。
このシステムでは、都道府県知事や政令市長から許可を受けた業者を簡単に検索できます。
許可番号や許可範囲を正確に確認し、認可を受けた業者にのみ依頼するようにしましょう。
料金の相場を理解する
料金が極端に安い業者には注意が必要です。
低価格を提示する業者の中には、不法投棄や不適正処理を行う場合があります。
処理コストを過度に抑えるため、環境や法律を無視した行為を行っている可能性があるのです。
そのため、複数の業者に見積もりを依頼し、料金が適正かどうかを確認することが重要です。
特に、相場より著しく低い場合は、その理由をしっかりとヒアリングし、適正な処理が行われているか慎重に判断しましょう。
一般廃棄物処理業の許可も取得しているか
一般廃棄物処理業の許可も取得している業者は、さらに信頼度が高いといえます。
一般廃棄物処理業は市区町村長の認可が必要であり、許可基準が厳しいためです。
また、問題を起こした場合は許可の再取得が困難なため、業者が法令遵守を徹底している証拠です。
この許可を持つ業者であれば、不法投棄や不適正処理のリスクをさらに軽減できるでしょう。
業者の信頼性を高める1つの指標として、この許可の有無を確認してください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
産業廃棄物の処理を委託する際、不法投棄は企業の信用や法的責任に深刻な影響を及ぼします。
不法投棄の発生を防ぐためには、業者の許可状況や料金の妥当性、さらには一般廃棄物処理業の許可も確認し、信頼できる業者を選定することが不可欠です。
また、排出事業者には最終処分までの責任があり、委託基準違反や注意義務違反が問われる可能性もあります。
適切な委託と管理を徹底し、法令を遵守することが、不法投棄のリスクを回避する最善の方法です。
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